こんにちは。たいむです。
先日こんなツイートをしました。
グッドイヤーウェルト製法で作られているから長く使えてコスパ良い!と短絡的に思うのはどーー考えても誤っている。そこには「定期的に手入れをする」ことが前提であることを忘れてはいけない。手入れする気ないならGYの靴なんて買わん方がいいよ。高いし。
— thyme(たいむ)@革靴ブログ (@mr_thyme) March 4, 2020
グッドイヤーウェルト製法で作られた靴って、よく「コスパがいいんだぜ」って言われていると思います。
お店とかでも言われたことありませんか?
「この靴はグッドイヤー製法で作られているので、ぱっと見高いですけど長く使えるのでお得ですよ」
とか。
自分はそのことについて、なんかずっと引っかかってたんですよね。
で、最近になってようやく言語化できそうだなと思ってきました。
なので今回は、グッドイヤーウェルト製法で作られた靴について、個人的見解を述べようかなと思います。
グッドイヤーウェルト製法の靴はコスパが良いと本当に言えるのか?
Contents
結論:コスパは良くない
結論から言うと、別にコスパはよくありません。
グッドイヤー製法=コスパ最強!みたいなマインドを持っている方はすぐに改めた方がいいです。
あれは幻想です。
そもそもコスパがいいって、値段以上の価値をもたらしてくれるという意味であってますよね?
あんまり好きじゃ無いんですけどね、コスパって言葉自体。
じゃあなぜグッドイヤー製法の靴はコスパがいいと言われているのか?
そしてコスパが悪いとされる根拠とはなにか?
ソールを交換して長く履けるからコスパが良い?
グッドイヤー製法の靴が通常の靴に比べてコスパ良しと言われているのは、ソールを交換することができるから長く履くことができるから、だと世間一般では言われています。
じゃあ通常の靴っていくらかと言われたら人それぞれだと思いますが、私の周りだと15,000円くらいの靴を買ったと言う人が多いので、15,000円を普通の靴の値段とします。
じゃあソール交換はいくらすると思います?
日本で一番有名な靴メーカー「リーガル」を例にとると、
オールソールの値段は、15,290円〜27,995円です。
いや靴買うより高いやん!
純正だってこともあると思いますが、それにしてもこの値段で普通の靴買うよりコスパいいなんて言えますかね?
私は無理があると思います。
最近の雑誌でも、やれグッドイヤーが最強だの持ち上げすぎだと思います。
そんな言い回しはもう聞き飽きましたよ読者は。
色々事情もあると思いますけどね。
なので、グッドイヤー製法だからコスパがいいとは一概に言えません。
そもそもコスパうんぬん言うこと自体がなんか違うと思います。
手入れができる人にとっては最高
とはいえ、手入れができる人にとってはやはり良いと思います。
逆に手入れができない人にとっては悪いです。
ソール交換できるんだから関係ない?
手入れをしないとソールの前にアッパーの寿命が来るのです。
アッパーとは靴の上部分のことです。
アッパーが死んでいては、ソールが綺麗になっても意味ありませんよね。
グッドイヤーの特徴は、ソール交換が可能であることです。
なのできちんとアッパーの手入れができる人は、ソールが減ってきたら交換して、何年も何年も履き続けることができるのです。
なので店員さんは、グッドイヤーの靴をすすめる時に、
「ちゃんと手入れできる人は、長く履けますよ」と案内をしていただきたいです。
グッドイヤーの靴は単純に値段が高い
グッドイヤーの靴は単純に値段が高いですね。
だいたい28,000円〜くらいのイメージです。
その分複雑な工程を経ているのですから仕方のないことだとは思いますが。
なのでなおさら靴を雑に扱う人は買わない方がいいと思います。
お金がもったいない。
一般的にみて高すぎでしょ、靴に3万なんて!
自分のめっちゃ好みな見た目をしている靴がたまたまグッドイヤーだったのなら仕方ないと思いますが、そうじゃないのにグッドイヤーだからという理由で買っても仕方がないと思います。
結局、製法に関係なく履き潰す人は履き潰しますから。
最大のメリットは自分だけの一足が育つこと
じゃあグッドイヤー製法はダメなのかと言われたら、そうではありません。
むしろ個人的には一番好きな製法です。
なぜならグッドイヤーには、コスパ云々ではない最大のメリットがあるからです。
グッドイヤー製法の最大のメリット、それは自分だけの最高の一足が育つことです。
これは間違いないです。
お金じゃないんです。
お金だけ見れば、安い靴を履き替えた方がトータルで安くなります。
一般的に服や靴は着れば着るほど劣化してしまうことが多いかと思います。
しかし革靴は違います。
履けば履くほどカッコよくなります。
ガシガシ履いてガシガシ手入れを繰り返すことで、他の人にはない自分だけのシワやツヤ、さらには傷がついていきます。
これが本当にいい。
言葉にできないくらいの愛着がわきます。
ただし、さすがにソールは減っていきます。
いくら手入れをしたところで、ソールの減りをゼロにすることはできません。
じゃあ、ソールを交換すればいいんです。
ガンガン履いてソールが減ってきたらソールを交換してまたガンガン履いて・・・
そしてさらにかっこよくなっていく。
それが実現できるのがグッドイヤーウェルト製法の靴です。
(マッケイ製法でも交換できるよとか、そういうのは横に置いといて)
繰り返しますが、値段じゃないんです。
どれだけ愛着のある一足にできるか。
グッドイヤーウェルト製法であれば、それが実現できると考えています。
(そういった意味で言えば、コスパがいいとも言えるのか。。。?)
これが、私の考えるグッドイヤーウェルト製法の最大のメリットです。
値段だけ見たらコスパは悪いが、それ以上の価値がある
まとめると、グッドイヤーウェルト製法の靴は、
値段だけの面で見たらコスパは悪いです。
ただし重要なのはそこではなく、本当の魅力は自分だけの靴が育つことにあります。
なので、そういう意味ではコスパがいいとも言えるのかもしれません。
これは手入れがしっかりとできる人に限られますがね。
まずは自分がどんな人間なのかを見極めることです。
手入れなんか絶対したくないという人であれば安い靴を毎年買い換えればいいし、
ちゃんと手入れをして愛着のわく一足にしていきたい!と考えるのであれば、多少値段が貼ってもソール交換のできる靴を買うべしかと思います。
万人に合う靴や製法なんてものはないです。
適材適所。これができれば素晴らしいです。
まあこれも経験してみないとわからないってのが難しいところではあるのですが。
それもまた、買い物の楽しみかと。
というわけで今回はグッドイヤーウェルト製法についてお話しさせていただきました。
主観たっぷりに語ったと思いますが、いかがでしたか。
今後買い物をする上で、少しでも参考になれば嬉しいです。
twitterやInstagramでも発信しておりますので、そちらもチェックしてみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは今日はこの辺で。